森繁久彌、久世光彦(ASIN:4103545046)
俳優森繁久彌氏に、プロデューサー久世光彦氏が話を聞きながら綴った物語。週刊新潮に連載されている記事をまとめた単行本です。既に一冊出ていて、この本は二冊目です。読めばよむほど俳優氏の生きてきた時代や、それらを一緒に支えた人々の輝きに思いが馳せられます。
美しい日本語への言及も多く、ちょうど小林信彦氏の優れた評論やエッセイを読んだときのように、この本を読んでいると所謂「古典」をもう一度ひも解いてみたくなってきます(なかなか、手が出ないのが、ヘタレではありますが)。
九十を迎えた森繁氏には去来する様々な思いがあるようですが、それを「聞かせる」筋立てとして話そうとする姿勢は微笑ましい限りです。ゆっくりと読みたい一冊です。