mug's game
a futile or unprofitable endeavor
無駄な、利益につながらない努力
1992 Economist From the way many western businessmen talk, you would think investing in eastern Germany was a mug's game.
mug という単語はいわゆる「マグ」カップの mug と同じです。もともとスカンジナビア半島の言葉として mugg/mugge というものがあり、これが飲み物を入れるカップを意味していました。
ただこの mugg/mugge には、グロテスクな顔が造形されていることが多くそこから「顔」という意味も派生しています。
派生したのは「顔」という意味だけではなく、「騙されやすい人=カモ」とか「悪党」といったものや、動詞として、to assault(暴行を加える) to make faces(しかめつらをする), to photograph(写真をとる)などの意味が生まれたそうです。
ただこれだけだと、mug's game が今のような意味になった理由が今ひとつわかりません。そこでもう少し調べてみると ... 以下のような説明が見つかりました。
a mug's game
an activity which it is stupid to engage in because it is likely to
https://idioms.thefreedictionary.com/mug
19世紀の半ば頃までに mug は fool を表すスラングとして定着していたそうで、特にトランプゲームで騙されたり犯罪の被害者になる人のことを mug と呼んだようですね。
20世紀の初頭に mug's game という表現が登場しさまざまな場面で使われるようになったそうですが、そのころは特に競馬に対して使われていたようです。
この場合は「勝ち目のない勝負」という意味ですね。
最初は単なるカップだったマグもさんざんな使われようです。
ところでトップの写真に出ている "Don't mug me off!" という言葉は、「私を騙すな!」という言葉をマグカップとかけているのでしょうね ...