酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

その「正義」があぶない。

その「正義」があぶない。

その「正義」があぶない。

現代日本で(まあ日本に限らず世界的にみてもそうですが)、極めて沸点の低い言葉「正義」を巡るオダジマ流考察のつめ込まれた本です。これまでのオダジマ氏のコラムは切れ味は鋭くとももっと傍流感覚に溢れたものだったような気がしますが、本人の意志に反して(?)私たちの中心課題に迫るものになったような気がします。

2011年3月11日の震災を経て、人間の生き方への関心が個人的にも今まで以上に高まっているからかもしれません。

小田嶋隆氏の書かれるコラムを一切の心配なく気楽に読めていた時代(それはまさに「時代」です)を懐かしく思う気持ちはありますが、もうそこには戻れないことも明らかです。

自分がうっかり「正義」という名の下に人を責めたくなったとき、「正義」を改めて考えたいときにどうぞ。