酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ

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今まで一番好きだった「音楽が大切な役割を果たす映画」は、「ニュー・シネマ・パラダイス」だったのですが

新たにこの映画もその列に並びました。公開当時(1999年)話題になっていたことは知っていたのですが、多忙に紛れて見損なっていたのです。ところが、最近偶然池袋のラム専門バー(それだけでも珍しいことですが)に行ったときに、BGV として流れていたのがこの映画でした。これまで観た事がなかったことが本当に残念だと思える映画でした。

特にストーリーはありません。米国のギタリスト、ライ・クーダーキューバの老ミュージシャン達と一緒にセッションをやったり、それぞれのミュージシャンの人生に関する訥々としたインタビューが続くだけです。しかしそのインタビューも、音楽のシーンも、キューバの空も、何もかもが素晴らしい。映画監督はライ・クーダーの親友でもあるヴィムヴェンダースです。明るい内容なのにどこか物悲しいメロディ、貧しくても音楽と共に生きて来た老ミュージシャン達の話す声は、否が応でも心に沁み込んで来るようです。

この映画に出ていたミュージシャン達は、本当に当時でも高齢で、その後多くの人は亡くなっています。
そうした意味でも奇跡のような映画です。