酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記

タイトルにつく「語られない戦争」が物語るように、チェチェン紛争の内容はあまり知られているとは言えません。この本はチェチェンで従軍記者を経験し死線をくぐり抜けた日本人ルポライターの渾身のルポです。
本人も書いていますが、あまりにチェチェン独立派組織の中に深く入っていたため、ものの見方情報の収集に偏りがあることは否めません。チェチェン独立派に対するシンパシーは否定できないでしょう。
それでも、国際報道機関による見方とはまたひと味違った観点からのルポは非常に貴重なものと言えるでしょう。
チェチェンを巡る紛争は表面的な報道を上回る悲惨な状況のようですね。
チェチェンゲリラといえば、ロシアの劇場でのテロなど、ロシア側からの報道ではすっかりテロ組織扱いですが、対するロシアももちろん相当に悪辣かつ残虐な振舞をしているわけです。

(この項追記します)