酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

id:kany1120:20080103:1199361522 を読んで追記 (2008/01/04)

友人のエントリを読んで、こちらの本の話も少し補足しておこうと思い追記します。

「金融リテラシー」とは単に「如何に効率的にお金を儲けるか」といった価値観を育てるだけのものではありません。
社会の血液としての「お金」を駆使して、私たちの社会を変革するために(選挙とはまた別の)「政治的」意思表示を如何に行うべきかのヒントも与えてくれるものです。記述はわずかですが、本書第4章「金融を通じた社会責任の遂行」はその意味と意義について触れた部分です。
こうした流れから「社会責任投資(Socially Responsibile Investment)」という考え方にも触れられています。これは投資先の決定に際し、その社会的意義を考慮するというものです。欧米では比較的力を付けつつある考え方のようですが、日本ではまだこれからというところでしょう。

お金のことについて堂々と議論する事は、これまで日本ではなんとなく「恥ずかしいこと」という意識が支配的だったように思います。しかし、お金をどのように扱うべきか(金融リテラシー)を身につける事は、個人の生活を守り、家族の生活を守り、そして社会を守るための基礎だと思います。

昨日の日記に、これから大切なことは「読み書きそろばん、そして段取り力」と書きましたが、金融リテラシーは「そろばん」の一環として教育に組み込まれるべきでしょう。