酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る

知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る

知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る

現代版「知的生産の方法」。日垣氏の主張は単純明快で、「アウトプットを意識してインプットを行え」というものです。もちろんこれは知的「生産」に関わるものの態度としてということで、「仕事」でなければ特にそれに拘る必要もないのでしょう。
本書のこの主張は、ノイズ的な情報が溢れる現代であればこそ一層重要な主張であるということもできるでしょう。
全ての入力分け隔てなく飲み込んでいたら、ただ受け入れるだけで出力することはできません。ある目的をもって情報を整理しながら、自分の中で体系つけることによって初めて「生産的」になれるという主張には一理あります。
もっとも既に20年以上前にジェラルド・ワインバーグ氏が「ある分野の専門家になろうと思ったら、まずその分野の本を一冊書くことだ」と言っていますから、日垣氏の専売的な主張というわけではありませんけれど。
とはいえ文章に勢いがあり1時間足らずで読め、それなりに刺激と元気を受けることのできる本とも言えるので、知的停滞を何となく感じているときに、手に取ると良いかもしれません。
ただ、本としての内容はかなり軽めです。