酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

慟哭

慟哭 (創元推理文庫)

慟哭 (創元推理文庫)

帯に北村薫氏の推薦の言葉が書いてあったので、相当期待して読んだのですが、すごく面白いというほどではありませんでした。もちろん小説の構造自身は面白く結構先が気になって読まされる小説なのですが、一度読んだあともう一度読み直してみようという気にはなかなかならないかもしれません。
登場人物の心情が説明的ですし、文章そのものもあとから伏線を読み取れるような感じではなくて、説明されているものが明白でそれ以上でもそれ以下でもない感じです。そのため謎が残らず再読してもあまり新しい発見がないような気がしてしまうのです。
まあ実際には再読したわけではないので、本当にそうなのかはわかりませんけれど。
それでも一度は楽しめることは請け合えますので、それでよければあまり考える必要はないのかもしれません。