酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

上原ひろみ―サマーレインの行方

上原ひろみ サマーレインの彼方

上原ひろみ サマーレインの彼方

注目のジャズピアニスト、上原ひろみさんへのインタビューと写真で構成された本です。時期的には最新作の「スパイラル(初回限定盤)(DVD付)」(次の項目参照)のレコーディングの最中から始まり、東京、浜松への演奏旅行、そして再び米国へ戻ってミックスダウンといっためまぐるしい日程をこなす上原ひろみさんの後を追いながら、今回のアルバムについての話、音楽への思い、小中高の面白い音楽エピソードなどが次々と紹介されていきます。
まあ、スパイラルの宣伝戦略にうまうまと載せられてしまったとも言えるのですが(笑)、購入したばかりのCDを*1聞きながら読むと、まるで長いライナーノートを読んでいるような気になりました。
読んでいて面白いなと思ったところから一つご紹介すると、上原ひろみは通常のミュージシャンがやるような

楽曲の完成 → レコーディング → アルバム発売 → プロモーションツアー

といった手順ではなく

ツアーの合間に曲作り → ある程度まとまってきたらライブで披露 → 実際の客のフィードバックを受けて曲を作り直し → 完成したらレコーディング → アルバム発売

といった順番で曲を育てて行くそうです。なので、レコーディングの際には十分演奏が練れているのだとか。音楽が好きで好きで好きでたまらない人なんだなぁという雰囲気に溢れた本ですね。

*1:Pod に転送してからですが