酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

ミステリ十二か月

ミステリ十二か月

ミステリ十二か月

北村薫氏が読売新聞に毎週連載していた、子供のためのミステリ入門を単行本化したものです。毎回これはというミステリを入門的に紹介していきます。サービス精神旺盛な北村氏のこと、単なる連載の加筆修正ではなく、豊富な追加記事で読者を楽しませてくれます。
全体は4部構成で、1部がもともとの連載を再録したもの、2部が連載時に素敵な版画を提供してくれた大野隆司氏との対談(本書の1部にも綺麗で楽しい版画がちゃんとカラーで再録されています)、3部が1部の作品を選んでいたときの気持ちを解説したもので詳しい注釈のようなものです。そして最後の4部が作家の有栖川有栖氏とのミステリー熱血対談。
どこを読んでも、物語そしてミステリーに対する北村氏の情熱が伝わってくる本です。しかし、毎度ながらこうしたブックガイドものはいけませんね。むやみやたらと読書リストが長くなってしまうからです。
おかげで楽しみが増える反面、苦しさも増えています(笑)。