酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

美食の王様 ―究極の167店 珠玉の180皿

美食の王様 ―究極の167店 珠玉の180皿

美食の王様 ―究極の167店 珠玉の180皿

こうしたグルメ本を読むのは久しぶりですが、やはり改めて思うのは本で伝わることは極めて少ないという事実ですね。確かに美味しい(らしい)ものの情報は載っているのですが、結局のところ、実際に足を運んでみるまではなんとも。しかも複数の知り合いの料理人に聞いてみたところ「ちょっとこれは…」というエントリーが散見されて、ますます微妙(笑)。
まあ本書の特徴としては、たった一人の人間が実際に試し評価を下しているという点を考慮すると、恐ろしくその数が多いということです。煽り文句によれば、6000店以上の店を訪れ、その中から 167 店を厳選したとのこと。執筆方針として、お店を批判的に取り上げることはせずに、ひたすら良い店を紹介しようという姿勢のようです。まあそうした意味では、素直に著者の感動を共有するという姿勢で楽しめば良い本だとは思います。
しかし、この著者は尋常ではない食生活を送っているようで、本書のような料理ガイドよりも、むしろそのひととなりに興味を抱きます。よほどの財力と時間がないとこの本に取り上げられたようなレストラン制覇を行うことは不可能だと思うのですが。著者は現在25歳だそうですが、15歳の頃から一人暮らしをしていて様々な料理を食べ尽くしてきたのだとか。覆面作家ということもあり、なんとなく手の込んだフィクション(ネタ)のような気もします、まあ本当のところはわかりませんけどね。
ホームページも開設なさったようですが「http://www7a.biglobe.ne.jp/~shina-kei_kurusu/toppage.html」現時点ではあまり中身がありません。