酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

「かまやつ女」の時代―女性格差社会の到来

「かまやつ女」の時代―女性格差社会の到来

「かまやつ女」の時代―女性格差社会の到来

最近街で見かける、帽子を被りゆるめの服装をした女の子達を、歌手のかまやつひろしになぞらえて「かまやつ女」と呼び、その行動様式を観察分析した本です。
日本人がほぼ一緒の中流意識を持っていた時代から、あからさまな階層社会へと分化しようとしている現代において、それぞれのポジションを服装から考察するという試みは面白いと思いました。また女性のファッション誌に全く不案内な私にしてみると、愛読雑誌による女性の棲み分けという話などは興味深く読むことができました。
ただ題材はかなり面白いのですが、結構議論が雑なのが残念です。たとえば途中「かまやつ女は一流大学にはいない」と断じた数段落後で「かまやつ女が居るのは早稲田大学、…」といったような記述があったりします。それとも早稲田は一流大学ではないということを遠まわしに言っているのでしょうか(笑)。また不用意に「かまやつ女は女らしくない、一方xx女は女らしさを強調」といった言葉使いがでてきたりして、著者は相当強固なコンサバ観察眼の持ち主なのかなと思わせます(もちろんコンサバであることは一向に構わないのですが、その場合は中立性を装わずに、御自分の立場をまずはっきりさせて欲しいところです)。