酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

エーミールと探偵たち

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

勝手に進行中のケストナーシリーズ(笑)二冊目。この本も小学校低学年のときに読んだのですが、内容はほとんど忘却の彼方。途中主人公のエーミールが列車の中で居眠りをして、シュールな夢を見るのですが、なぜかその夢の印象ばかりが記憶に残っていたので、今回再読するまではなんとなくファンタジー小説のような気がしていました。
まあ20世紀はじめのベルリンも、そこに暮らす人々も私たちから見ればファンタジーのように読めなくもありませんけど。今回ほぼ40年ぶりに読んで、やっと断片的な印象が一つにつながりました。
これもまたジュブナイルのお手本のような本ですが、幅広い世代が今でも楽しめる内容だと思います。
翻訳は「ソフィーの世界」も手がけた池田香代子氏による新訳で、例えば「飛ぶ教室 (講談社文庫)」などの古い翻訳に比べると、日本語として随分読みやすい仕上がりとなっています。まあ旧訳に親しんだ人には少し物足りないかもしれませんが。