酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

いやでもわかる日本の経営 (日経ビジネス人文庫)

日本経済新聞(編集)
現在日本企業が何に悩んでいるのか、重要なトピックを短編小説仕立てでとりあげた興味深い本です。忙しい人でもすぐに読み終われる程度の量ですが、ツボは抑えた仕上がりではないでしょうか。危機管理対応、新商品開発、法務(知財)紛争、工場の国内回帰、事業再生ビジネスといった話題が俎上に載ります。
およそ日本人は「心機一転」好きで、少しでも古い話題を軽んじる傾向がありますが、本書で取り上げた問題も、先人の知恵をうまく受け継いでいれば、早い時期に軽減できていたものも多いと思います。マスコミはこうした事態をより重く受け止め、啓蒙に務める義務を負っているのではないでしょうか。問題提起を続けていただきたいと思います。