酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

無敵のマーケティング 最強の戦略

Jack Trout (原著), 高遠 裕子 (翻訳)
マーケティングの世界では有名なジャックトラウト氏の著作。邦題は「無敵のマーケティング 最強の戦略」なのですが、原題は「Jack Trout on Strategy」というもので、そのタイトル通りマーケティングにおける「戦略 (strategy)」の大切さを説いた本です。私のようなマーケティングの素人には、面白く読めましたが、プロの方にはそれほど役には立たないかもしれませんね。結構アタリマエのことが書いてあるような気もしますし。


より良い製品をつくるより、先に製品を作った方がいい
というポジショニングの法則が本書では重視されています。もちろん本書では品質を軽視しているわけではないのですが、顧客の前になるべく早い時期に提示されなければその価値が大きく減じてしまうことは、私たちも日々感じているところです。
それ以外にも、シンプルな言葉使いを心がけるべし、一貫性のある戦略を用いるべし、といった、まあどのような仕事にも適用可能な心構えも書かれています。
トリビアルな点ではありますが、個人的に面白かったのが、マークトウェインの言葉の以下のような引用でした(いかにも彼らしい言葉ではありますが…)。

われわれが純粋に正直な自分自身になるのは、自分が死んだときであり、
死後何年も経てからだと思う。早く正直になるには、早く死ぬことだ