酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

亜細亜、骨董仕入れ旅

島津 法樹 (著)
これまた面白いノンフィクションです。著者は骨董商なのですが、インド、ネパール、スリランカ、その他のアジア各域を縦横無尽に飛び回りながら、詐欺師スレスレの面々と息のつまるような心理戦を展開したり、マハラジャの城で現実離れした当代と会ったり、絶世の美女の色香に迷いそうになったり、怪しげな回廊の奥のそのまた奥で、絶品の歓喜天、大黒天に出会ったりと、怒涛の買い付けを続けます。わかっちゃいるけどやめられない、虎穴に入らずんば虎子を得ず、という著者のエネルギッシュな足跡は、読んでいる者を飽きさせません。あまりに面白過ぎて嘘くさいと思われてしまう可能性すらあるでしょう。
本書は今年9月の発売ですが、先行する「骨董ハンター南方見聞録」の第2弾という位置付けです。早速こちらも注文してしまいました。