酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

リアル (4)

井上雄彦(著)
スラムダンク」、「バガボンド」などの作品で有名な井上氏の描く「車椅子バスケットボール」の世界。1から3巻までは主人公の道春とそれを取り巻く登場人物達の配置と描写に費やされていました。ここまでの巻で突出した才能を持つ短距離走者だった道春が、病気で右足を切断し、陸上をあきらめざるを得なかった過去は語られていましたが、この4巻では、道春がそののち車椅子バスケットボールを始めるに至った直接のきっかけのエピソードが紹介されます。
はっきりいって泣けます。小説がコミックスに到底かなわない点があると思うのは、このような作品を読んだときです(もちろん、コミックスが小説に到底かなわない点も多々あるわけですが)。