酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

のだめカンタービレ(10) 講談社コミックスキス

二ノ宮 知子 (ASIN:4063405052)
人気の「クラッシク音楽コミックス」いよいよパリ編スタートです。単なる学園コメディモノの枠組みを抜け出し、これからどのような展開になるのか半ば心配しながら手に取りましたが、この巻でも笑わせていただきました。
主人公の「のだめ」ちゃんが、恐ろしい手段でフランス語をマスターするというシークエンスは、ヨーロッパにおける「キャンディキャンディ」をはじめとする日本のアニメ放映熱を考えると、強引ながらも納得(?)できます。もちろん音楽的な細やかな取材の内容も楽しめます。指揮者コンテストの「間違い探し」は笑いましたが、同時に指揮者というのは本当にタイヘンな商売だなと思いました。この間違い探しというのは、事前に演奏者側に意図的に間違ったスコアが渡されていて、指揮者がそれに気が付くかというものです。たとえば本来ピッコロが吹くべきパートをフルートが吹くとか、ヴァイオリンとヴィオラが途中で入れ替わるとか。
これからも、あまり普通の生活ではわからない国際コンクールの裏側や、世界で音楽家を目指す若者達の様子を生き生きと描いて欲しいものです。