酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

博士の愛した数式

小川 洋子 (ASIN:410401303X)
多くの書評で取り上げられ、ベストセラーにもなっている本書なので、あまり私が付け加えるべきこともないのですが、数学を使ってこのような物語を綴ることができるということに感心しました。この本を読んで数学があらためて好きになったりする人もいるのでしょうか。卓越した数学の才能を持ちながら、不運な事故によって記憶が80分しか持たなくなった「博士」と、家政婦とその息子の清冽な交流はひとときの読書の幸福を与えてくれました。
でも学校の数学はあまりにも根深い恐怖を、英語とともに多くの人に植え付けていて、こんなベストセラー程度では揺るぎもしないのかもしれませんね(笑)。