ナンシー関 (ASIN:4418045031)
過去の単行本からの選集ですが、久しぶりにコラムのまとめ読みをしてみて、故ナンシー関の輝きは、いまだ失われていないことを改めて認識しました。思えば最初消しゴム版画家という驚くべき登場の仕方をしたナンシー関なのですから、もともと優れた観察者であったことは想像に難くないのですが、それを版画としてだけではなく、軽妙な文章として表現することができるという、とても稀有な存在でした。
ナンシー関が今生きていたら、現在の年金・北朝鮮をめぐる政局のごたごた、イラク日本人人質事件の騒ぎ、皇室をめぐる様々な確執などに、どのようなアプローチをしてくれたでしょうか。それを読むことができないのはとても残念です。あとで本棚から「ナンシー関大全」も取り出してパラパラと再読してみましょう。
4月中旬刊行予定と帯に書いてあった、「大コラム(テレビCM編)」もはやく刊行して欲しいものです。