酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

あの無限、この無限、どの無限?―数式のない数学の話

「無限」という概念を、手を変え品を変え、解説した本です。自然数、整数、偶数、奇数、有理数などは「無限」に存在しているわけですが、それらの「濃度」(アレフ・ゼロと呼ばれる)が互いに同じで「同じ程度に無限に存在している」という話が、いろいろな比喩と共に示されてゆきます。最後に行き着くのは実数の話で、ここで初めてアレフ・ゼロ以上の「濃度」をもつものが示されます。すなわち「無限」にも程度(濃い薄い)があるということがわかります。
数式を全く使わないので、誰でも気軽に読みすすめていける本でしょう。数の不思議さを楽しめます。
これで数学に興味をもったなら、同じ著者による「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ (ちくま学芸文庫)」などはいかがでしょう。