酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

ケルト巡り

河合隼雄 (ASIN:4140808446)
臨床心理学者として有名な著者が、ケルト民族を訪ねて、イギリス、アイルランドを巡った際に心に浮かんだ思いを綴った本です。あとがきにも書かれていますが、この本はまとまったケルト紀行記というものではありません。むしろ著者の「思想」をケルト文化を背景に語ったものということができるでしょう。観光案内として読もうとすると多分退屈します(笑)。
紹介されるケルトの昔話が驚くほど、日本の昔話に似通っていたりすることを知る楽しみもあります。またイギリスのコーンウォールで現代に残る witch (魔女)という職業の女性との対話がなかなか感動的なものでした。
また、私はこの本を読んで Leyline(レイライン)という言葉を初めて知りました。