酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

数え方の辞典

飯田 朝子, 町田 健(ASIN:4095052015
その名の通り、様々なものの数え方が分かる辞典。日本語が難しいと言われる筈じゃと思いつつも、豊かな表現に改めて感心したりします。
ときどき間に挟まるコラムも面白く読めます。たとえば「仏の顔も三回」(本来は「三度」)と言えるか?という問いの答えは「否」です。なぜなら「回」と「度」には意味的な違いがあって、「回」は繰り返されることが予想されるものに使い、「度」は繰り返しが予測されにくいものに使うという原則があるからだそうです。このため「三回忌」「第三回大会」といった繰り返されることが予測できるものには「回」が使われますし、一方「その人に会ったのは一度だけ(また会うかどうかわからない)」「二度目の優勝(次に優勝できるのがいつかはわからない)」といった具合に、不確実なものに対しては「度」が使われています。
なので、仏の顔も「三回」と言ってしまうと、三回までは繰り返せるというニュアンスになってしまい、説得力が下がってしまいます。一度一度の重みを受け止めるためにも、ここは「三度」というべきということのようですね。
この他にも、鮨は「一貫」で「何個」食べられるのか?といった素朴な疑問にも答えて貰えます(笑)。