酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

2000/01/01 Sat.

一部の人が期待していたような2000年大パニックは起こらなかった(ミレニアムテロはどうなったんだろう?)。これで21世紀まであと一年。好むと好まざるとにかかわらず「二十世紀総括」の大安売りになるんだろうな。しかし編集する人間がこの世紀末を生きている以上、その内容は二十世紀最後の二、三十年に偏ったものにならざるをえない筈だ。まあ情報を消費する側だって19世紀に近い方の話なんてあまり熱心に聞きたくはないだろうけどね。ともあれこうした文脈で20世紀日本の歌ベスト10とかやると宇多田ヒカルの曲が一位になっちゃったりするんでしょうね。

今日「ベルセルク」(三浦健太郎白泉社)を1から18巻まで一気に読んだ。今までなんとなく気になっていたし、この日誌でも以前参照したが、内容を読むの始めてだ。18巻を費やしてもまだ物語りは道半ばにも達していない気配である。一口で言えば圧倒的な物語である。決して文章で表現できないものであることも確かだ。世界がある暗黙のルールによって支配されていることはわかるが、それはまだ部分的にしか提示されていない。今のところどのような結末を迎えるか予断を許さないところがあり、それがとても刺激的である。しかしこういうのはちびちび読むとストレスが溜まる。完結してから一気に読んだほうが良かったのかもしれない。