酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

冬のオペラ 中公文庫

北村 薫 (ASIN:4122035929) 自ら「名探偵」を肩書きにする「巫弓彦」が活躍する推理小説です。探偵のタイプとしては「円紫さんタイプ」で、状況を一通り聞き終わると事件が解決しているという展開です。この本に短編が2編と、中篇が1編。「冬のオペラ」は…

スキップ 新潮文庫

北村 薫 (ASIN:4101373213) 「時と人」シリーズ(と世間では呼ばれているそうな)の第一弾。17歳の女子高生の私はうたた寝から目覚めると42歳の女性になっています。心は17歳のまま。失われた25年の記憶はなく、あとから少しずつその断片が暗示され…

反社会学講座

パオロ・マッツァリーノ (ASIN:4872574605) 何気なく読み始めたら、滅茶苦茶面白くて一気に読み終わりました。この本は「社会学」の本なのですが、通常の「社会学」のいかがわしさ、そしてそこから導き出される「結論」を、強烈なおちょくりでことごとくゴミ…

カレー工房 SEEDS

というわけで、相模大野「旬物屋 菜」が「カレー工房 SEEDS」に生まれ変わりました。今夜は、ふらりと立ち寄って、ほうれん草のカレーとチキンカレー両方をサフランライスで食してみました。どちらも大変美味でしたが、さすがに食べすぎましたね(笑)。特に…

ヘウレーカ ジェッツコミックス

岩明 均 (ASIN:4592135008) 寄生獣でおなじみの作者が、シラクサを舞台に、カルタゴとローマの戦いを描いた歴史コミックスです。カルタゴの力を借りてローマに叛旗を翻すシラクサは、アルキメデスの発明した数々の武器によりよく持ちこたえますが、やがて歴…

サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣―実践版 利回りがすべてのアパート・マンション経営入門 実日ビジネス

藤山 勇司 (ASIN:4408105473) 明日をも知れぬ零細企業の経営者としては、ときおりこのような本も読んでみるのですが(笑)、やはり自分のあまり馴染みのない世界のノウハウの話は面白いと思いました。色々な事例も、それほど詳しくはありませんが、うなずか…

いつもポケットにショパン (全3巻) 集英社文庫―コミック版

くらもち ふさこ (ASIN:4086172038) 以前にも書きましたが「のだめカンタービレ」が面白いと思っている今日この頃です。それに関する書評や掲示板を読んでいると、この「いつポケ」と比較した話がでてくる場合が多いので、入手して読んでみました。感想とし…

謎のギャラリー―謎の部屋 新潮文庫

北村 薫 (編集) (ASIN:4101373248) 北村薫氏による、様々な作者のミステリアスな味わいの短編を集めたアンソロジーです。巻末にある宮部みゆき氏との対談形式の解説と並行してよむと、より楽しめますね。 採録作品の一つ; 「遊びの時間は終わらない」都井邦…

博士の愛した数式

小川 洋子 (ASIN:410401303X) 多くの書評で取り上げられ、ベストセラーにもなっている本書なので、あまり私が付け加えるべきこともないのですが、数学を使ってこのような物語を綴ることができるということに感心しました。この本を読んで数学があらためて好…

覆面作家の夢の家 角川文庫

北村 薫 (ASIN:4043432038) 覆面作家シリーズの第3弾にして、最終巻の本書の最終話は、人の死なないダイイングメッセージという面白い謎を読者に問いかけます。そして最後の巧みな「オチ」は、このシリーズを締めくくるのに相応しい優しさに溢れています。 …

笑わない数学者

先日あるお店のカウンターで隣に座っていた人に、次のような問題を出されました。 ビリヤードの玉(1〜15)から5つ取り出して真珠のネックレスのように輪につなげる。 その5つの中からいくつでもいいのでさらに取り出すのだが、必ず隣り合う 連続したも…

魔術的芸術

アンドレ ブルトン (著) 巌谷 国士 (訳), 谷川 渥 (訳), 鈴木 雅雄 (訳), 星埜 守之 (訳) (ASIN:4309265669) 本の帯に「未知の領域をひらく美術史の革命的転換、シュルレアリスム思想・美学の集大成」「20世紀最大の>、待望の普及版」とあります。 199…

詩歌の待ち伏せ〈上〉

北村 薫 (ASIN:4163586202) ということで、間にノンフィクションを一冊挟んで再び北村薫氏の本です。この本は小説ではありません。北村氏がいままで出会った数々の詩歌との出会いを綴ったエッセイです。ことさらに、紹介されている詩歌をご自身が「発見」し…

THE BIG YEAR 小鳥たちと男たちの狂想曲

マーク オブマシック 著, 朝倉 和子 訳 (ASIN:4757210396) "The Big Year(ビッグイヤー)" とは一年間に北米でいかに多くの種類の鳥を観察したかを競う競技会の名称です。単なる平和なバードウォッチングを想像すると大間違い。優勝を狙う参加者はブリザー…

しばらく北村薫尽くしで行くと言ったそばから、別の本の紹介で恐縮ですが。。。

覆面作家の愛の歌 角川文庫

北村薫 (ASIN:404343202X) ということで「覆面作家」シリーズ第2巻を読みました。内容の面白さは相変わらずです。 北村氏の作品の特徴の一つは、登場人物たちが確かに「生きている」ことにあると思いました。これは単なる比喩ではなく、時間軸にそって登場…

覆面作家は二人いる 角川文庫

北村 薫 (ASIN:4043432011) 円紫師匠と「私」シリーズを読み終えたので、今度は新しいシリーズに手を出してみることにしました。今度の主人公は「覆面作家」というペンネームの推理作家とその担当者というコンビが様々な謎を解き明かすお話です。この「覆面…