酔眼漂流読書日記

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replication crisis

Science Centre in Toronto

replication crisis

「再現性の危機」

というキーワードが科学の世界では囁かれています。これは正確であるべき科学論文の結果を再現することができない状況を表した言葉です。

再現性の有無はかつてのSTAP細胞の騒ぎの際にも問題になりましたが、実は一部の論文だけに見られる例外的な事象ではなく、深刻度を段々増しています。

分野によってその程度も様々ですが、例えば心理学の分野では、発表された論文の半数以上には再現性がないという研究もある程です(特に心理学や医学の世界で再現性はひろく議論されて来たようです。【以下のWikipediaの記述を参照】)。

科学の世界では他にも、統計上の操作で望みの結果を引き出す p値ハッキング という手法も話題になりました。

世間では科学というものに対して、簡単に白黒がつけられると思われているフシもありますが、複雑化する世界の中で科学そのものの再現性と検証がますます重要な意味を持つようになるのでしょう。科学そのものの信頼性のためにも。

 

参考:再現性の危機 - Wikipedia