Dan Kogai 氏のブログの書評エントリーから
- 作者: マックス桐島
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/04/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「おかげさまで/Because of you」といえる謙虚の心
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これ、難しいところだが、"Because of you"には「あなたのおかげ」だけではなく「おまえのせいで/Blame it on you」というニュアンスがより強い。誤解がないように言うには"Thanks to you"だが、これだと"Thank you"とカブる。私なら"You made it (possible)"としておくだろうか。
もう10年以上前のこと、ホノルルにたまたま滞在していたら、地元の日系人コミュニティが、地域に感謝する「Okagesama-de Parade」というのをやっていました(かなり大規模なパレードで、1000人単位の規模でした)。そのとき Okagesama-de の説明として使われていたのが"Because of you"でした。そのときの私も「それじゃ『おまえのせい』だろ」と心の中でツッコンでいた記憶があります(笑)。
確かに "Because of you" が生粋の(?)英語としては「おまえのせいで/Blame it on you」に近いニュアンスを含んでいることは事実かもしれませんが、どうやら(旧来の)米国日系人社会の一部では「おかげさまで→Because of you」を定訳とする暗黙の了解がある(あった?)ような気がします。
まあ「(旧来の)米国日系人社会」といっても「それはどの母集団だ?」ということになるのですが。。。この場合たぶん太平洋戦争前から米国に移民していた日系人達のせいぜい3世位迄を含んだ人々くらいですかね。
ということで、Dan Kogai 氏ご紹介のこの本は読んでいないのですが、もし現地で著者のマックス桐島氏が、現地の老年の日系人に「おかげさまって英語でどういうのですかね」と尋ねたのだとしたら「Because of you ですよ」と言われた可能性もあるかと思います。そして、その世界では「正しい」表現なのですよきっと。