酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

party like it's 1999

Paris Ontario - Canada - Four Corners - Downtown - Heritage Town

party like it's 1999

まるで今日がこの世の最後の日のように弾けたパーティを行う

とあるニュースサイトを読んでいたときに出てきた表現ですが、「1999年のようにパーティしよう」では意味がわかりません。

お馴染み Urban Dictionary によれば

to party like there's no tomorrow. Live like today's your last. In the 1983 Prince hit "1999" he refers to "2000-0-0 party over, oops - out of time" so tonight he "parties like it's 1999". This became a catch phrase in the American lexicon.

という定義が見つかりました。

1982年にプリンスが発表した楽曲に出てくる「2000-0-0 (2000年になった瞬間)にはパーティが終わる。おっともう時間がないぜ」という歌詞から「今が1999年だと思って思い切り楽しもう」という意味になったようです。アメリカ英語の常套句のようですね。

プリンスの "1999" のリンクを下に貼っておきます。

www.youtube.com

 

Quora も見てみました

What does party like 1999 mean? - Quora

It means to throw a wild party. The expression is dated and comes from an old Prince song that obviously was written before 1999. The idea was the last party of the 20th Century. Some, in those days, also believed that the end of the century might coincide with the end of the world, so party like it’s the last party of your life.

 やはりプリンスの"1999"から来ていると書いてありますね。1999年のパーティとは20世紀最後のパーティということですが、当時は世紀の終わりと共に世界も滅亡するという風潮もあって、20世紀最後のパーティ=人生最後のパーティという意識から「明日のことなど気にせずにパーティをする」ということになったようです。

* ところで20世紀は2000年の年末まで続いたのですけどね(笑)

日本でも 1999 年は世界滅亡の年だと信じていた人が少なからずいたことを思うと、洋の東西を問わず終末に心惹かれるひとたちは一定数いたのですね。

 

Whatever floats your boat.

CAFNR Float Your Boat 2015

Whatever floats your boat.

どうぞお好きなように。

勝手にしろ。

 float one's boat という表現は直訳では「誰かの船を浮かせる」という意味になりますが、そこから転じて「誰かの興味をひく」「誰かをワクワクさせる」という意味になりました。

それに whatever がつくことで「ワクワクすることならなんでも」→「お好きなように」という意味になったということのようです。

なお代名詞として「好きなものならなんでも」という意味でも使われます。

A:"I prefer boys to girls" (女の子より男の子の方が好きだ)

B:"I just like girls but whatever floats your boat is fine with me". (私は女の子がいいけど、君の好みはどちらでも結構)

同じような意味として

Suit yourself

という表現もあります。この場合は「自分自身に合わせろ」→「好きなようにしろ」という意味ですね。

 

FOMO と JOMO

Fear of the Dark

FOMO と JOMO

日本では聞き慣れない言葉ですが、少し前(2015年〜2016年頃)から米国で流行り始めた言葉のようです。

FOMO = fear of missing out

すなわち、SNSなどで何かを見逃して(missing out)しまうことを恐れる(fear)という意味です。

FOMOのために、FacebookTwitterを開き続けていなければ不安に陥るという現象なども見られたようです。

そして、この反動として生まれたのが JOMO です。

JOMO = joy of missing out

直訳すれば 見逃すことの喜び。 すなわち情報の洪水を逃れ、静かに過ごすことの喜びを表しています。

lose steam/run out of steam

Steam

lose steam/run out of steam

何かを継続して続けるエネルギー、モチベーション、熱意が失われてしまうこと。

例文:After spending hours working on this project, I'm running out of steam—can we take a break?

和訳:何時間もこのプロジェクトで働き続けて、疲れちゃったよ。休憩しないか?

 

steam というのは「蒸気」です。ではその蒸気が失われるというのは ... エネルギーや気力が失われるという意味の表現になります。なんだかサイバーパンクめいていますね。

worth one's salt

Salts

worth one's salt

報酬に見合う働きをする

 サラリーマンの「サラリー」の語源はラテン語の “salarium” に由来するのですが、それはもともと古代ローマで使われていた「塩(salt) を買うための手当」あるいは「給料の一部としての塩」を意味するそうです。

ともあれ「塩」(salt)は仕事の報酬に関わっているようです。

worth one's salt という表現は、「その報酬に見合った価値がある」という意味になります。

Any teacher worth his salt is able to inspire his students.

その報酬に見合う教師ならその生徒たちを触発できる。

I'm confident enough to know I'm worth my salt around here. I make a lot of money for this company.

私はここでは報酬に見合う仕事をしている自信があります。会社のために大いに稼いでいるのですから。

 参考:

The expression to be worth one’s salt, which means you’re competent and deserve what you’re earning, is most often said to have its roots in ancient Rome, where soldiers were sometimes paid in salt or given an allowance to purchase it. The word salary is derived from the Latin “salarium,” which originally referred to a soldier’s allowance to buy salt.
(Elizabeth Nix. Where did the expression “worth one’s salt” come from? Ask History. October 15, 2014.)

 

cosmonaut と astronaut

Everyday is ‪#EarthDay‬

ソユーズの発射失敗の記事を読んでいたら以下のような文章に出会いました。

Astronaut Nick Hague and cosmonaut Aleksey Ovchinin landed safely some 250 miles away from the launch site after the capsule detached about 90 seconds into launch and deployed its parachute.

techcrunch.com

 

文中の cosmonaut と astronaut の日本語訳はどちらも「宇宙飛行士」ですが、実は前者は主に旧ソビエト・ロシア系の宇宙飛行士を指し、後者は主に米国系の宇宙飛行士を指します。

なので、この記事のNick HagueはNASAアメリカ)の宇宙飛行士で、Aleksey Ovchinin はロシアの宇宙飛行士だということがわかります。

なお両者に共通する -naut は、どちらもギリシャ語の ναύτης (nautis 船乗り)から来ているそうです。

cosmo はもともとギリシャ語で「κόσμος 宇宙」、astro はもともとギリシャ語で「ἀστήρ 星」を意味しますので、どちらも宇宙や星に向かう船乗りという意味になりますね。

なおロシア語の側でも

  • астронавт  (astronautに相当)
  • космонавт (cosmonautに相当)

という具合に単語が分かれているそうです。

余談ですが日本の「鉄腕アトム」は海外では "Astro Boy" という名前です。

アトムは「原子」ですが海外では「星の男の子」という意味なのですね。

補足QA

What's the difference between an astronaut and a cosmonaut? - Quora

 

 

handsome fool

 

f:id:ardbeg1958:20181008212410j:plain

画像引用:A clever, ugly man every now and then is successful with the ladies, but a handsome fool is irresistible.

handsome fool

* これは2年前に書いて公開して居なかったブログ記事です

 

とある文章を読んでいたら "handsome fool" という表現が出てきて、良くわからない熟語だなあと思っていて色々調べたのですが、なかなかピンとくる説明に出会えませんでした。

handsome fool というのはその辺の辞書には載っておらず、検索するといくつかヒットするのですが、歌や本や記事のタイトルだったりして、既に handsome fool というのがどう言う意味かを知っている前提で書かれているので、いまひとつピンと来ませんでした。

で、検索するうちに「ハンサムなバカ」と「頭の良いブオトコ」のどちらが良い?といった身も蓋もないディスカッションフォーラムに行き着きました。そこでは hasdome fool は文字通り「ハンサムな(顔の良い)バカ」という「素直」な解釈のようでした。

で、結局もとに戻って、最初に読んでいた文章でどうなっていたかと言えば:

「xxxについてはxxxって書いたあったよ、you handsome fool」

というような使われ方だったのでした。文脈としては「やや軽いからかうような罵倒」を行っているものに見えました。まあこれはやはり「相手を持ち上げながら貶している」ということなのでしょうかね。顔の見えない相手に対するやり取りですので、慣習的なちょっとしたからかい言葉なのかも知れません。

 

2018/10/08 追記

上では「ハンサムなバカ」を直接的な意味として挙げていますが、改めて検索してみると、そうした直接的な利用方法は少なく、むしろ(1)「バカ」という直接的な言い方の語感を和らげるために使われたり(上で私が見た用例)、(2)「中身のことは問題にしなくても良いハンサム」というニュアンスを出すために使われているケースが多いような気がします。

Pinterest の以下のようなページは、そうした「イケメン上等(中身なんか気にするな)」というニュアンスが存在することを示唆しているいるような ... ?(笑)

(このページのタイトルは冒頭に挙げたサッカレーの引用から来ているのかも知れませんね)。

www.pinterest.jp