酔眼漂流読書日記

本と音楽と酒場と言葉

xkcd : LUNCH ORDER

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「戦略司令官からランチの注文が来ました」

「あいつら、他にやることはないのか?」

オートコレクト(単語の自動修正)に文句を言う人は多い。

しかしそれが核戦争を食い止めた時のことを私たちは忘れている。

 

* Launch Order (ミサイル発射命令)が オートコレクトで Lunch Order (ランチの注文)になったという話。

 

元記事

xkcd: Lunch Order

xkcd は CC BY-NC 2.5で公開されています。

9 Non-Threatening Leadership Strategies for Women

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9 Non-Threatening Leadership Strategies for Women

すなわち「女性のための『怖くない』リーダーシップ戦略9選」

というタイトルの記事を読みました。

この記事の画像はその1番目「#1 締切の設定」です。このような画像とともに、女性が「怖がられない」ための戦略がユーモラスに解説されています。

例えばこの左側(「怖いやり方」)では

"This has to be done by Monday"

「月曜日までにやって」

と女性リーダーが指示しています。

これに対して右側(「怖くないやり方」)の方では

"What do you think about getting this done by Monday?"

「これを月曜までに終わらせるというのはどう思いますか?」

と疑問形でお願いしています。

 

もちろんこの記事は真面目にそうしろと言っているのではなく、非常にユーモラスに「女性がリーダーシップを取ろうとするときの困難」を皮肉っているわけです。アメリカでも女性は仕事の場で苦労させられていることがわかります。

残りの8つもクスリと笑わせてくれる「戦略」です。どれも面白いのですが、もう一つ紹介しておきましょう。

 

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 #7 もし間違いを見つけたら

「怖いやり方」(左):この数字は間違いですね。

「怖くないやり方」(右):ごめんなさい、この数字って正しいですか?ちょっと完全には自信が持てなくて...数字って苦手。

 

元記事

thecooperreview.com

 

なお著者の Sarah Cooper さんはコメディアンもしているライターの方で、人間の振る舞いに関する様々なユーモラスな記事を書いています。

これまでには、このような記事も紹介されています。

 

jp.techcrunch.com

take 〜 out of the equation

Statistical mechanics

take 〜 out of the equation

〜を考慮から除外する

 the equation というのは方程式という意味です。数値間の何かの関係を表す式で、学生時代に苦労した方も多いのではないでしょうか。

これを使って

take 〜 out of the question

という表現で使うときは、直訳としては「〜 を方程式から取り除く」すなわち、「〜のことは計算に入れない、考慮しない」という意味になります。

pot calling the kettle black

Pot calls kettle black

pot calling the kettle black

自分の事は棚に上げて他人を批判する

 pot (鍋)が kettle (ヤカン)を「お前(ススで)黒いじゃねーか」と言って馬鹿にする様子を表している言葉です。まあ今どきの鍋やヤカンがススで真っ黒ということは滅多にないので、現実味を失いつつある言葉かもしれません。

要するに、「自分の事は棚に上げて他人を批判する」という意味になります。

英和辞書を見るとそのように書いてあるものが多いですね。

「どっちもどっち」、「目くそ鼻くそを笑う」という意味なのかな、つまり「お互いに黒いのに自分の事は棚に上げて相手を馬鹿にしている」という意味なのかなと思って納得しかけたのですが ...もう少し調べてみると以下のような説明を見つけました。

 

www.urbandictionary.com

この中を読むと

Many years ago, people used to cook over an open flame using copper kettles and iron pots. The copper kettles were usually polished after every use whereas the iron pots were not and remained blackened from the soot from previous cookings. Well someone got the idea that if the iron pot were alive and it looked at a nearby copper kettle, it would see a black image.

などと書いてあります。

 

つまり鉄の鍋(通常ススで黒い)が銅のヤカン(通常磨かれてピカピカ)のそばに寄ったら、自分の黒い姿が相手のピカピカの表面に映っているのに過ぎないのに、相手も黒いと思い込み「お前黒いな」とからかうだろうという事です。

 

ちなみに Wikipedia でこの言葉をひいてみると、そのもののエントリが存在しました。

The pot calling the kettle black - Wikipedia

ここの説明を読むと、自分の欠点を否定したい故に他人にそれを押し付ける、「投影」Psychological projection という話にもつながっていて、意外に深刻な話題が出てきます。

ここの説明の中にも以下のような詩が出てきます。

 

"Oho!" said the pot to the kettle;
"You are dirty and ugly and black!
Sure no one would think you were metal,
Except when you're given a crack."

「おやおや!」鍋がヤカンに言った

「汚くて、醜くて、真っ黒だ!

   ヒビでも入らなきゃ、誰も君を金属だなんて思わないね」

 

"Not so! not so!" kettle said to the pot;
"'Tis your own dirty image you see;
For I am so clean – without blemish or blot –
That your blackness is mirrored in me."

 

「違う!違う!」ヤカンは鍋に言い返した

「君が見ているのは、自分自身の汚い姿さ

  僕がピカピカなせいで - シミもキズもないから -

  君の黒さが僕の上に反射してるんだ」

 

要するにこのフレーズには2つの解釈があるようです

  1. 黒い鍋が黒いヤカンを馬鹿にしている(自分のことを棚に上げている、目くそ鼻くそを笑う)
  2. 黒い鍋がヤカンを「お前黒いな」と馬鹿にするのだが、実はそれは相手に映った自分の姿だった(投影)

はてさて、どちらが正しい(もしくは主要な)解釈なのだろうと思ったのですが、とりあえず Wikitionary によれば、両方の解釈があるが、1の方が多く、2の解釈はややマイナーであるという説明が書いてありました。

pot calling the kettle black - Wiktionary

ちょっと調べた範囲では日本語の解説では1の意味で書いているものが多くみつかりました。

 

 

square one

Gouda NL - Lange Tiendeweg 02

square one

出発点、始まり

 すごろくやモノポリーなどのマス目を移動するゲームで、自分の駒が出発する点を「1番目の四角」ということで square one と呼びます。

ここから、「出発点」や「始まり」という意味が派生しています。

よく使われるのが以下の表現です

be/go back to square one

文字通り「出発点に戻る」ということですが、単に戻るというよりも、それまでに色々積み重ねていたことが無駄/ご破算になって「振り出しに戻る」というニュアンスになります。

It looks like it's back to square one for you.

どうやら振り出しに戻ったようですね。

 

他の場所での説明も挙げておきましょう。

the situation in which you begin an endeavor and to which you return if your efforts fail;

何かを始めようとする場所、そしてもし努力が失敗したら戻る場所

"she has tried to diet but always ends up back at square one"

「彼女はダイエットを試みた。しかしいつでも元の木阿弥になった」

以上 square one. (n.d.) WordNet 3.0, Farlex clipart collection. (2003-2008). Retrieved August 13 2018 from https://www.thefreedictionary.com/square+one  より。

 

give short shrift to 〜

müstair

give short shrift to 〜

〜 を軽んじる、〜 にそっけない態度をとる、〜 をあっさりと片付ける 

 shrift というのは、もともとキリスト教の用語で司祭に対する懺悔(ざんげ)や告解(こっかい)を意味します。死ぬ前などに生前の罪を告白して赦しを請うというものですね。

これに short がついたものは「短い懺悔」ということになりますが、意味としては

死刑執行直前に与えられた、短い shrift の時間

を指す表現になります。しかし死刑直前の懺悔が真に心のこもったものにならないこともままあったのでしょう(なにしろ懺悔しようがしまいが、もうすぐ殺されてしまうのですから)。

こうしたことから short shrift

そっけない、気持ちのこもっていない扱い

という意味が生まれたようです。

ということで、give short shrift to 〜 で、「〜に対して素っ気ない態度をとる」という意味になります。これが get short shrift from 〜 になると「〜 から素っ気ない扱いを受ける」という意味になります。

 

Get short shrift - Idioms by The Free Dictionary

If someone or something gets short shrift, they are treated very rudely or given very little attention. (もし何かもしくは誰かが short shrift な扱いを受けたとすれば、それは乱暴な扱いを受けたか、ほとんど注意を払われることがなかったという意味です)

Unfortunately, these proposals are likely to get short shrift from the government.

残念ながら、これらの提案書は政府によって軽くあしらわれてしまうだろう。

なお make short shrift of 〜 になると「〜 を簡単に片付ける」という感じになり、何かに対しての冷たい感情というイメージは引っ込みます。

put off the inevitable

Inevitable

put off the inevitable

避けられないことを先延ばしにする

 inevitable というのは「避けられない、必ず起こる」といった意味の単語です。これに put off (避ける、先延ばしにする)という動詞を付けることで、「避けられないことを先延ばしにする」という意味になります。何しろ「避けられないこと」ですから、「一時的に凌げても結局は避けきれなくなる」という暗黙的な意味が隠れています。

 

用例を検索してみつかったのが以下のサイト:

 

Procrastination is Expensive | Daddy Broke My Heart

 

"Daddy Broke My Heart"という物騒な名前のサイトですが、このサイトは父親によって心を傷付けられた人たちが情報を共有するサイトのようです。

なおページタイトルの

 

Procrastination is Expensive

 

というのは「先延ばしは高価につく」という意味で、記事は独りで悩むこと無く早く専門家のセラピーを受けるべきだという内容です。Procrastination という単語も「先延ばし」という意味です。

この記事の冒頭にある画像の中に put off the inevitable が出てきます。

 

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Don't put off the inevitable, just do it.

というのは

「避けられないことを先延ばしするのはやめよう、ただ行動しよう」

という意味ですね。